しがない学生の雑記

日常で感じたことを適当に書き連ねるだけのブログ

書評的な何か「坊っちゃん」

 書評的な何か第2弾.

 今回はこれ.

坊っちゃん」, 夏目漱石, 新潮文庫など

 読んだことがなくとも,名前は誰もが知っているであろう有名どころも有名どころの作品.が,我が人生において2番目に読んだ回数が多い本ということで紹介.

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坊っちゃん

 ある田舎の学校に赴任することになった主人公である「坊ちゃん」の目線から,彼を取り巻く人間模様について語る.そんな話.

 

 昨今の小説はミステリーと呼ばれるジャンルでなくとも,多かれ少なかれ伏線が張られ,それを回収する形で話が展開されることが多いと思う.しかし,この本は違う.伏線など特になく,淡々と話が綴られているような形態である.

 

 では何が面白い本なのか.極めて個人的な感想だが,内容もさることながら何よりも,そもそも文章を読むこと自体が面白いということに尽きる.とにかく読みやすく,綺麗な筆致で描かれているのだ.平易に述べるならば,ほとんどの一文がかなりの短文で淡々と書かれていながらも,その情景はありありと想像できるような文章,ということになると思う.ただ,何分古い本であるので現代の人が読んだら読みにくいような漢字が散見されるのでそこは注意.最近の版のものであれば,そのあたりが修正されていたりするのかしらん.

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ちなみに昭和61年版のもののお値段.物価の違いを感じる.

 意外と?内容的には短いためサクッと読めるので,明治の文豪といわれる人たちの作品を何か読んでみたいなあという方におすすめの一冊.ちなみに,調べたところkindle版で無料で読めるっぽいです.

 

 

 余談ではあるが,坊っちゃんの舞台である愛媛県松山市を友人たちと訪れた際の極めてどうでもいい思い出話をついでにしようと思う.

 松山には,坊っちゃんの舞台であることをを推している通りがある.その中で私の心に最も印象に残った出来事は,坊っちゃんの作中人物である「マドンナ」をあしらったお土産を多数見かけたことである.これが本当に多い.中には,坊っちゃんとマドンナが恋仲であるかのような印象を受けるようなデザインのものもある.それがどうした?と思う方もいるであろうが,本を読んだことのある人ならばわかるはず.実はこの「マドンナ」なる人物は,作中において坊っちゃんの恋人っぽい描写など全くないどころか,そもそも出番自体ほぼない.加えて,どちらかというと良い印象を抱けるような人物ではないのである.そのような人物の扱いとは思えないような,松山お土産界における好待遇っぷりに対して,「なんでやあああ!もっと他に取り上げるべきメインキャラいっぱいいるやろおおお!」と皆で頭を抱えながら旅行を楽しんだのは良き思い出.

 

 しかしまあ書評とは思えないぐらい本の内容に触れてないなあ,と思うけれどそれもまた一興ということで...